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British Journal of Surgery(IF 5.59)

Stent as a bridge to surgery or immediate colectomy for malignant right colonic obstruction: propensity-scored, national database study

Takashi Sakamoto1 , 2 , Alan Kawarai Lefor 3 Michimasa Fujiogi1 , Hiroki Matsui1 , Kiyohide Fushimi 4 & Hideo Yasunaga1

1 Department of Clinical Epidemiology and Health Economics, School of Public Health, The University of Tokyo, Tokyo,
2 Department of Surgery, Tokyo Bay Urayasu Ichikawa Medical Center, Chiba,
3 Department of Surgery, Jichi Medical University, Shimotsuke, Japan
4 Department of Health Policy and Informatics, Tokyo Medical and Dental University Graduate School, Tokyo,

以下DeepLで翻訳、一部修正

【背景】

本研究の目的は、右側閉塞性大腸癌を有する患者に対して、緊急の結腸切除術と自己拡張型金属ステントの留置後に結腸切除術を行った場合の周術期成績を比較することである。右側の悪性結腸閉塞は左側よりも頻度が低い。左側閉塞性大腸癌に対するステント留置術は術後合併症を軽減することが報告されている。しかし、悪性右結腸閉塞に対するステント留置術の影響はまだ明らかにされていない。

【方法】

全国のデータベースから同定された2012年4月~2017年3月の間に結腸切除術を受けた右側の悪性閉塞または狭窄を有する患者を対象とした。傾向スコアマッチング分析を用いて、死亡率と罹患率、ストーマを受けている割合、術後の滞在期間を緊急結腸切除術群とステント群の間で比較した。

【結果】

9572人の患者から、1500組のペアがプロペンシティスコアマッチングにより作成された。院内死亡率は、緊急結腸切除術群とステント群で有意差はなかった(1・6%、0・9%、P=0・069)。合併症はステント留置よりも緊急結腸切除術の方が多かった(22⋅1 vs 19⋅1 per cent; P = 0⋅042)。手術部位感染症は、緊急の併合切除術の方が多い(7⋅1対4⋅4%; P = 0⋅001)。吻合不全は両群間に有意差はなかった(3⋅8 対 2⋅6 per cent; P = 0⋅062)。ストーマが必要な患者の割合は、ステントを用いた群よりも緊急結腸切除の方が高かった(5⋅1対1⋅7%; P < 0⋅001)。術後の在院日数は、切迫的摘出術の方が長かった(15日対13日; P <0⋅001)。

【結論】

右側閉塞性大腸癌患者に対しては、ステント留置術に続いて結腸切除術を行うことで、緊急の結腸切除術よりも良好な周術期転帰を得ることができる可能性がある。