【読書感想】AIに負けない子供を育てる

子育てというより、自分自身が作文に自信がないため、読んでみた。

AIに負けないというタイトルがついているが、AIに関する話は序盤に少しあるだけだった。AIにはできないだろうと思われている読解は、実は人間にもほとんどできていない可能性について言及している。

そしてやっかいなことに、多くの子供や大人たちは自分たちに読解能力がないことに気づいていないかもしれないという。中学生で顕在化する生徒間の学力の差は文章が読めているかどうかによって決まっているのかもしれない。

筆者の主張は面白かったし、筆者らが開発したリーディングスキルテスト(RST)の体験版も含まれており、自分の弱点もわかった。

さらにこの本のよい点はデータに基づく部分と、データには基づかない筆者の意見とを分けて書いてあった点。後者は正しいかわからないと謙虚な姿勢で書かれている。

子供だけでなく、私を含む大人が自分の文章力を上げるためにどうすればよいかのヒントになる本だと思う。

そして、医療者としては「平易な言葉で書かれている文章だからといって誰でも理解できるわけではない」ということを改めて考える機会になった。