本書は精神科医によって書かれた本で、これまでアウトプットはしてこなかったけど、これからは何かしたい!と思っている人に向けた本だと思う。全体として、書くことが好きな人には向いているが、話すことでアウトプットしたいと思っている人にとっては期待した内容ではないかもしれない。
Chapter1 アウトプットの基本法則
インプットした内容をいかに長期記憶に変えたり、役立てるかという視点で書かれている。「それはわかっている」ということもあるかもしれないが、改めてアウトプットすることの大切さがわかる。
Chapter2 伝わる話し方
話し方だけでなく、プレゼン資料の作り方やコミュニケーションの取り方、ディスカッションの仕方について書いてある。ときどき、原因と結果が逆転しているだろとつっこみたくなる部分もある。例えば、「仕事を断る人の方が結果的には仕事がたくさんまわってくる」などは明らかに因果の逆転。仕事をできる人には仕事がたくさんくるから断る案件が出てくるわけであって、そもそも仕事が少ないのに断っていたら、仕事はなくなってしまうだろう。
Chapter3 能力を最大限に引き出す書き方
筆者はペンと紙で書くことを重視している。特に企画書などを書く際の時間配分で構成を決めることに時間を割くことを重要視しており、私も賛成だ。いきなり書き始めるよりも、構成や書く内容を決めて最後に書いてまとめるだけにする方が、手直しもやりやすく、効率的に仕上がる。
Chapter4 圧倒的に結果を出す人の行動力
この項は啓蒙書みたいなものだった。できる人はこうしているといった内容が続く。例えば、「スキマ時間を利用する」や「運動する」など分かっているができないと思われる内容が多い。そんな中でも、マインドセットとして大事かなと思ったのは「100%を目指してなかなか完成しないよりも30%でもとりあえずは、まず完成させる」。最後まで終わらせて、修正に時間を使う方が、最後にはいいものに仕上がるという意見には賛成だ。
Chapter5 アウトプット力を高める7つのトレーニング方法
書くのが好きな人には向いている内容だが、書く以外のアウトプット方法がない。筆者がブログやメルマガで成功しているため、これらを使用したアウトプットをすすめている。他に日記をつけることや自分の体重管理をすることも勧めているが、アウトプットの力に繋がるかは疑問だ。